
新築で注意したいシックハウス症候群とは?効果的な対策と原因を徹底解説~正しい知識で健康で快適な家づくり~
新築住宅は「きれい」「快適」といった良いイメージがありますが、実は入居後に体調不良を訴える人も。その大きな原因の一つがシックハウス症候群です。
最近の住宅は気密性が高く、空気がこもりやすいため、体質によっては症状が出やすくなることがあります。
現在は建築基準法で対策が進んでいますが、建材の選び方や換気の方法を誤ると注意が必要です。
この記事では、シックハウス症候群の原因と、新築住宅でできる具体的な対策を分かりやすく解説します。
家族の健康を守るために、安心できる家づくりのポイントを押さえておきましょう。
シックハウス症候群とは?
シックハウス症候群とは、住宅に使われる建材や家具などから発生する化学物質や、カビ・ダニによる室内の空気汚染が原因で起こる健康障害の総称です。
微量であれば身体に害はなく、新築に住んでも症状がでない人がほとんどですが、喘息やアレルギー疾患を持つ人など、過敏に反応してしまう人はシックハウス症候群になりやすい傾向にあります。
主な症状としては、下記が挙げられます。
・頭痛やめまい
・目のかゆみや充血
・喉の痛みや咳
・吐き気や倦怠感
・アレルギー症状の悪化
これらは風邪や花粉症と似ているため見過ごされがちですが、新築入居後に症状が続く場合はシックハウス症候群を疑う必要があるでしょう。
新築のシックハウス症候群はいつまで注意が必要?
シックハウス症候群は「ホルムアルデヒド」が主な原因物質とされています。
人の粘膜や肌を刺激して、健康被害を引き起こすホルムアルデヒドですが、5年程度の時間経過で放散量が少なくなると考えられています。
このことから、シックハウス症候群を発症しやすい期間としては新築から5年が目安です。また、家具などにもホルムアルデヒドが含まれているため、調度品を新調することもあるであろう5年経過後も注意が必要です。
ただし、対策もありますし、建築基準法によって、住宅を建築する際の有害物質に関しても基準が設けられていますので過剰な心配はいりません。
建築基準法の内容としては、ホルムアルデヒドの発散量が一定以上になる建築材料に対して、内装仕上げに使用する面積を制限する基準を設けるというものです。
既述の通り、5年程度の時間経過でホルムアルデヒドの発散量が少なくなりますので、「建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし」ですが、発散量が一定以上のものは使用面積が制限されたり、使用禁止となっています。

シックハウス症候群になる原因とは?
ここでは、シックハウス症候群になる原因を2つの項目に分けて解説していきます。
・ホルムアルデヒドなどの化学物質の影響
・カビやダニの影響
ホルムアルデヒドなどの化学物質の影響

建材に含まれる化学物質は、シックハウス症候群を引き起こす要因の一つです。
構造用合板の接着剤や塗料、経年劣化を防ぐための防腐剤などには、さまざまな種類の化学物質が含まれています。
既述のホルムアルデヒドだけでなく、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどもシックハウス症候群の要因となる化学物質です。
建材に含まれる化学物質は、建材が新しいほど放出量が多く、時間が経つにつれて放出量が少なくなりますので、新築の家では最初の数年間は濃度が高くなります。
カビやダニの影響
カビは湿気が多い環境下で繁殖し、ダニはカビが繁殖する環境を好んで生息する傾向があります。
近年、高気密な住宅が増えてきました。高気密な住宅は、換気計画や施工に不備があると、内部結露が発生したり湿気が溜まりやすくなり、カビやダニが増えやすくなります。
カビやダニは体内に入るとアレルギー反応を引き起こす場合がありますので、シックハウス症候群の発症の引き金になりえるのです。
新築住宅のシックハウス症候群を防ぐための対策
家づくりの段階~入居後に対策を行うことで、新築住宅のシックハウス症候群のリスクを軽減することが可能です。
では、どのような対策があるのかを見ていきましょう。
1.化学物質の放散量が多い建材や塗料、接着剤の使用を控える
化学物質の放散量が多い建材や塗料、接着材の使用を控えることで、シックハウス症候群の発症リスクを軽減できます。
シックハウス症候群の発症リスクが少ない建材は、JIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)によって定められた安全等級である「Fスター」で確認可能です。
この基準は、ホルムアルデヒドの発散量を示し、星の数が多いほど安全性が高いことを意味します。
等級は三段階あり、「F☆☆☆☆」は建築基準法の規制対象外で制限なしに使用できますが、「F☆☆☆」と「F☆☆」は使用面積に制限があります。
可能な範囲で「F☆☆☆・F☆☆」等級の建材の使用を控えることで、シックハウス症候群の発症リスクを減らせすことが可能です。
例えば、無垢材や自然由来の素材はホルムアルデヒドの放散量が少ないため、このような素材を積極的に採用すると良いでしょう。
自然素材は価格が少し上がるものの、健康志向の家づくりには非常に効果的です。
2.家具やカーテンなどを選ぶ際も注意する
新築入居後は、家具やカーテンを新調することがあると思います。これらも、なるべく化学物質の放散量が少ない天然素材のものを選びましょう。
製品によっては、ホルムアルデヒドの放散速度を示す表示がされているので、シックハウス症候群が気になる方は購入前に確認してみることをおすすめします。
また、カーペットを使用する場合は、敷いたままにしていると湿気がこもってカビやダニが発生しやすくなるため、清潔に保つようにしましょう。
3.十分な換気を行う
2003年の建築基準法改正により、シックハウス症候群のリスクを軽減するため、住宅に24時間換気システムの設置が義務化されました。
24時間換気システムとは、室内の空気を自動で常に入れ替え、カビやホコリ、においのこもりを防ぐための設備です。
この換気システムは気密性が高い住宅との相性が良く、気密性が高いほど換気の効率が上昇し、室内の空気の入れ替えをしっかりと行うことができます。
換気システムを選ぶ際は、第1種換気という「給気と排気の両方を機械が行ってくれる」換気方式の採用がおすすめです。
外部の新鮮な空気を取り入れ、室内の汚れた空気を外に排出してくれるため、シックハウス症候群を防止できます。
また、より温熱環境に配慮した熱交換型の第一種換気のシステムがありますので確認してみると良いでしょう。
4.空気洗浄機の利用
空気洗浄機を利用することも、シックハウス症候群の対策として効果的です。
空気洗浄機を選ぶ際は、活性炭フィルターなどの、化学物質を除去する能力のあるフィルターを備えた製品にしましょう。
活性炭フィルターは、特にVOC(揮発性有機化合物)や悪臭物質の吸着に優れた性能を持つフィルターで、ホルムアルデヒドやベンゼン、トルエン、アセトアルデヒドといった有害なVOCを効率的に除去することができます。
まとめ
シックハウス症候群は、建材や家具に含まれる化学物質、そしてカビやダニなどによる空気の汚染が原因で起こる健康被害です。新築からおよそ5年間は特に注意が必要で、頭痛やめまい、目や喉の痛み、倦怠感、アレルギーの悪化といった症状が現れることがあります。
対策としては、ホルムアルデヒドの放散量が少ない「F☆☆☆☆」建材を選ぶこと、無垢材や漆喰などの自然素材を取り入れることが効果的です。また、24時間換気システムを常に稼働させることや、家具・カーテンも低ホルムアルデヒド製品を選ぶことも大切です。さらに、入居前後の十分な換気や空気清浄機の活用で、室内の空気環境を清潔に保ちましょう。
正しい知識と対策を行えば、シックハウス症候群のリスクを大きく減らすことができます。家族が安心して健康に暮らせる家づくりのために、建材選びや換気環境をしっかりと見直してみてください。
私たちナカザトコウムテンは、三重県伊賀市•名張市•鈴鹿市を拠点に建築家とつくる高気密・高断熱・高耐震(耐震等級3)の高性能なデザイン住宅を手掛けております。
弊社では、全棟気密測定を行うことで最高レベルのC値(0.3 以下)を担保し、結露やカビ、外気からの汚染物質の侵入を防ぎます。
また、第一種換気を採用により、室内の空気を綺麗に保つことができますので、シックハウス症候群のリスクも軽減可能です。
多くの方にとって初めての経験となる家づくり。お客様が抱いている疑問や不安を解消するための無料家づくり相談会も実施しておりますので、「資金計画」「土地探し」「家づくり」についてお気軽にご相談ください。
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