耐震等級とは？1・2・3の違いをわかりやすく整理～暮らしの安心を買うなら高耐震な家～
家づくりを検討していると、一度は目にする 「耐震等級」 という言葉。
しかし、多くの方が次のような疑問を抱きます。
・数字が違うと何が変わるの？
・どの等級を選べば安心？
・暮らしへの影響は？
耐震等級は、家の 安全性・資産性・修繕コスト・災害時の生活継続性 に関わる、とても重要な指標です。
ここでは、はじめての方でも理解しやすいように、耐震等級の基準や違い、選ぶ際のポイントをわかりやすく説明します。
【結論】地震に強い家なら耐震等級３
結論、マイホームに求める基準として「耐震性の高さ」を求める方は、耐震等級3の住宅であれば後悔しないと考えます。
家づくりで大切なのは、建てたあとに安心して暮らせること。
耐震等級３は、住宅における最高ランクの基準です。耐震等級3を取得することで、災害後もそのまま生活を続けられる可能性がぐっと高まり、住宅ローンや保険など優遇を受けられる可能性もあります。
それでは、耐震等級とは何を意味するのかについて解説していきます。
耐震等級とは？わかりやすく解説
耐震等級とは、建物がどれだけ地震に強いかを示す指標です。
耐震性能は「等級1・2・3」の3段階で評価され、数字が大きいほど耐震性が高い住宅であることを表します。
この耐震等級は、2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律（品確法）」に基づく、「住宅性能表示制度」で定められたものです。
「どのレベルの地震に耐えられる家なのか」を客観的に評価し、数値として可視化することで、住宅の安全性をわかりやすく判断できるようになっています。
地震大国と呼ばれる日本では、過去に阪神・淡路大震災や熊本地震、能登半島地震などの大地震が発生しています。
南海トラフ地震の発生も予測される今、耐震性能の高い住宅を選ぶことは、暮らしの安心を守るための重要な判断基準となるでしょう。
耐震等級の３段階｜性能比較と違い
耐震等級1とは
耐震等級1は、建築基準法で定められている最低限の耐震性と同等の基準です。
これは、数百年に一度程度で発生する大地震(震度6強～7程度)でも倒壊せず、数十年に一度程度で発生する中程度の地震(震度5強)でも損傷を生じない程度の耐震性とされています。
ただし、大規模な地震が起こった際の「倒壊しない」というのは、建物が無傷であることを保証するものではなく、補修や建て替えが必要になるケースもあります。
耐震等級2とは
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つ住宅に与えられる評価です。
また、病院や学校などの災害時に避難所として指定される建物と同水準の耐震性であり、国が推進する長期優良住宅の認定基準としても採用されています。
長期優良住宅とは、耐震性・断熱性・劣化対策・メンテナンス性などにおいて、長く快適に住み続けられる性能を備えた家として国から認定された住宅のこと。
耐震等級2は、住宅でもより安全性や安心感を求める場合に、選択肢となる等級です。
耐震等級3とは
耐震等級3は、住宅の耐震性能を示す最高ランクで、耐震等級1の1.5倍の耐震性能を持つ住宅に与えられる評価です。
これは、消防署・警察署などの防災拠点となる建物と同等の耐震性を備えていることを意味します。
大きな地震が起きたとき、倒壊を防ぐだけでなく、繰り返しの余震にも耐えられる強さが求められるため、耐震計画・構造計算・施工品質が非常に重要になります。
日本は地震の多い国ですので、家族や資産を守るため、最高レベルの安全性を求める場合に選ばれている等級です。
耐震等級の高い家を建てるメリット
倒壊や損傷のリスクを抑えて長く安心して暮らせる
耐震等級が高い住宅は、大きな地震が発生した際でも倒壊や大きな損傷が起こりにくく、建物の安全性がより高く確保されています。
特に耐震等級3は、消防署や警察署と同じ基準とされており、震度6〜7クラスの強い揺れを受けても家の構造が守られるよう設計されています。
建物のダメージが少ないということは、地震後の修繕費や暮らしへの影響を最小限に抑えられるということ。
「もしもの時に家が守ってくれる」という安心感は、住まう家族にとって大きな価値になります。
地震が多い日本だからこそ、地震に強い住宅で暮らすことは安心を買う選択肢のひとつと言えるでしょう。
地震保険料の割引が受けられる
地震保険とは、地震や地震による津波などを原因とする、建物や家財の被害を補償する保険です。
耐震等級の認定を取得することで、地震保険の割引が受けられることもメリットです。
割引率は耐震等級ごとに決められており、耐震等級が高いほど割引率が大きくなります。
| 耐震等級1 | 10%割引 |
| 耐震等級2 | 30%割引 |
| 耐震等級3 | 50%割引 |
住宅ローンにおける金利優遇
耐震等級2以上の住宅は、災害リスクが低く、将来の資産価値も維持されやすいと評価されます。
そのため、住宅ローンの「フラット35」では、金利が優遇される「フラット35S」を利用できます。
フラット35Sの耐震等級ごとの金利引き下げ内容は、以下の通りです。
| 金利Aプラン(耐震等級3) | 当初5年間は年0.5%金利引下げ |
| 金利Bプラン(耐震等級2) | 当初5年間は年0.25%金利引下げ |
住宅金融支援機構のフラット35は、返済終了まで金利が変わらない「全期間固定金利型」の住宅ローンです。
耐震等級2以上を取得したからといって、必ずフラット35を選ばなくてはいけないわけではありません。
市場金利や借入期間、ライフプランによっては、変動金利や他の金融商品が有利になる場合もあります。
住宅ローンは、金利優遇だけでなく総返済額や将来設計も含めて比較し、最適な借入れ方法を選ぶことが大切です。
耐震等級3相当とは？
「耐震等級3相当」とは、設計上は耐震等級3の性能に基づいて建てられているとされる住宅を指す言葉です。
しかし、ここで重要なのは、正式な認定を受けていないという点です。
耐震等級は、国が定めた「住宅性能表示制度」によって評価される制度であり、第三者機関による審査・確認・証明が必要です。
その審査を通過して初めて、住宅は正式に「耐震等級3」と認定されます。
一方、「耐震等級3相当」は、証明書や公的な性能評価は付いていません。そのため、耐震性能が保証されておらず、上でご紹介した「住宅ローンの金利優遇」「地震保険の割引」も受けることはできません。
まとめ
家づくりはデザインや間取りだけではなく、家族の命とこれからの暮らしを守る性能面の判断もとても重要です
「今、大きな地震がきたらどうなるだろう？」
この問いに、自信を持って「大丈夫」と思える耐震性の高い住まいは、暮らしの安心につながります。
耐震等級は、単なる数字ではなく、
・住まいの安全性
・資産価値
・将来の修繕、保険、ローン面
など、暮らしの様々な部分に影響する判断基準です。
もちろん、耐震性だけで家づくりは決まりません。
ライフスタイル、住宅性能、予算、敷地条件など、すべてをバランスよく考えることが大切です。
私たちナカザトコウムテンは、三重県伊賀市•名張市•鈴鹿市を拠点に建築家とつくる高気密・高断熱・高耐震の高性能なデザイン住宅を手掛けております。
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